ご縁カウンター

2005年01月23日

すえ侍

すえぞう


26歳になって結婚という転機が訪れた。
タケとゴンを囲む暮らしから独立して、横浜市でも田舎の区で旦那と共に新しい暮らしをするようになった。
旦那の仕事はファミレスの調理長をしていたので、夜帰る時には深夜2時を過ぎるのは珍しくない。そんな時間まで夕食を用意して仕事に疲れた旦那を待つのには、寂しいさが少なからずあったのだ。
そう言えば、私を置いて家族3人九州の田舎へ帰省した時、夜の寂しさは感じられなかった。それは、竹千代と権太が居てくれたことで、寂しい気持ちなんてものはなかったからだ。
今は一人。猫の姿もなく、一人で深夜番組を見ながらコーヒーを飲んで旦那の帰宅を待つ。
こんな気持ちから、猫を自分の手で育てたくなったのである。

そして飼った猫は末三(すえぞう)。

ある日旦那の休みを利用して、某有名スーパーへ出かけた。駐車場から近い入り口からスーパーへ入ると直ぐ右手にペットショップがある。
私は旦那に「寄ってかない?」と指をさすと『見てるだけ〜』と言った感じで高そうなワンちゃんちゃニャンコを愛らしく思いながら見ていた。
ふと目線を別の方へ移すと『差し上げます』と言うふだの掛かったゲージを見つけた。
生まれてから3ヶ月といった子猫達がコロコロと転がっているのだ。
「かわいい……」
この子猫達を見ていると、タケやゴンの子猫時代を思い出していた。
「タケゴンにもこんな時があったんだよね」
この時は飼うという気持ちはなく、飼えたらいいなと言う程度で見ていただけ。その理由は、自分独りで子猫を育てる自信が無かったからである。
「欲しくなっちゃうね」
そう言う私に旦那は冷静に言った。
「育てられるの?」
「自信ない」
「だったらやめなよ」
「うん……」
この時はそれで子猫の話は流れ、買い物へ足早に向かったのである。
暫くして夜の寂しさを感じる時が来た。
家はアパートであるが、近所付き合いと言うものがしづらい雰囲気である。隣の住人は難有りで近所でも有名な危険人物だった。現に被害を受けた事が数回あったので、身の危険を感じずには居られなかった程だ。
引越しするにしても予算的に難しく、出るに出られない状況であった。
静かなアパート周辺に寂しいという気持ちの他に不安で精神的にも追い詰められそうになっていた。
そんな気持ちの時、ふと子猫の事を思い出していた。
「やっぱり、飼いたいな……」
そうすれば少しは気持ち的に楽になるはず。そう強く思っていたのである。

こうして旦那の休みが訪れた時、この間子猫を見つけたペットショップへ足を運んだのだ。
しかし、飼う事の条件として旦那からある事を言われていた。
「飼う猫は俺が決める。名前も俺が決める。但し、育てるのはまわただよ」
美味しいところを全て持っていったこの条件。納得ゆかないけれど、飼うのであればその条件をのむしかなかった。
ゲージに入った子猫達。この間と違う子猫達が数匹入れられていた。
その中に三毛猫が含まれていて、私は三毛猫が一目で気に入ってしまったが、旦那の出した条件があったので決められないのを少し悔やんだ。
そして、旦那が手にした子猫は白ベースの茶トラである。
「この子オスだね」
丸金ポイントを確認した私は言った。
「じゃあ、この子にしよう」
旦那はその子猫が気に入ったらしく抱きかかえ頬でスリスリしている。
店員さんに話しをすると『大切に育てる宣言』をして欲しいと言うので、名前と住所・電話番号を紙に記入する事になった。

車に戻ると子猫は鳴きまくった。助手席で抱く私の胸で子猫は兄弟達と別れる寂しさから鳴きじゃくっているのだ。
「なんか悲しそうに鳴くね……」
子猫の声に胸が痛くなったけど、うちに住めば落ち着くと思っていた。
途中、家の近所のホームセンターで猫グッズを揃え帰宅し、猫が飼える環境に整えた。
まず子猫が部屋になれるようにほおっておく。各部屋の匂いをかぎ歩き、立ち止まっては鳴き始めた。
初めての場所なので落ち着く事がなく、暫くは興奮して鳴き続けている。
そんな子猫を横目に、旦那は名前を考えていた。
「で、名前どうするの?」
催促するように私は言うと、旦那は既に決めていたようである名前を言った。
「すえぞう」
「す、すえぞう?」
あまり気乗りしないその名前に苦笑するしか出来なかった。
この名前はある漫画に出てくるキャラクターだと直ぐに判った。その漫画ファイブスター物語と言うロボット系漫画に出てくる、おバカな竜の子の名前である。
条件の一つでもあった名づけがあるので反対は出来ず、簡単にすえぞうと言う名前に決まったのである。
こうして白ベースの茶トラはすえぞうと言う名になりうちの家族になった。
すえぞうを漢字で書くと末三。私は愛称をすーさんと呼び現在もそう呼ばれている。

気持ちの不安を取り除いてくれる用心棒。すえ侍とたまに呼んだりするすーさんは素晴らし巨漢猫へと成長していったのである。

現在体重10`だと思われる。またも子錦を育ててしまった……。
posted by まわた at 14:21| Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ☆末三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まわたさん、こんにちにゃん♪
すーさんとはこういうエピソードがあったんですね(^^)
ちょっと旦那さんのファンになりそうです(なぜ?)

今、私の携帯にまわたさんから着信があると、まさにこのすーさんのお顔がドーンと出てくる設定でして、和んじゃってるんですよ〜。
ん・・・? このお写真、すーさんの顎の下に人間の指のようなものが見えますが・・・無理やりポーズ?錯覚でしょうかね〜?(笑)
Posted by mone at 2005年01月27日 13:16
どもどもです☆
旦那のファンですか(爆)アニメオタクですけども、そこが気に入られたところでしょうか?(違)

あはは…あの顔がお知らせしてくれるなんて(ぷぷっ)
あの顔を作るのに(おぃ)少々仕掛けをしましたが、一緒に写りこんでしまいました(笑)
お察しのとおりです、錯覚ではありませんっっ(大汗&笑)
Posted by まわた at 2005年01月28日 00:54
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