ご縁カウンター

2005年01月20日

山○獣医科病院 1

たけちよ


真田さんのご好意で山○獣医科病院へ到着した。

車からタケを抱っこしている母上から順に車をおり、待合室へ足早に向かった。
診察室で待っていた先生はタケが暴れないように、バスタオル洗濯用ネットを用意してその中にタケを入れるように言った。
母上はタケをネットにいれると、直ぐに先生はチャックを閉めた。
だるそうにしているタケは暴れることもなく、ただ不安そうな目で私達をみている。
そんな目を見ていると、胸の奥がしめ付けられる思いで辛くなる。
先生は入院手続きの用紙を母上に手渡すと記入するように言った。

その間真田さんも思うところがあったようで、切なそうにタケの様子を見ていた。
私はタケに近寄ると「元気になって帰ってきてね」と言った。
この時の思いはただ淋しいの一言で終わってしまう。
「今夜7時に手術します。一時間ぐらいで終わるので心配でしょから電話くれてもいいですよ」
先生はそう言うと、大きなゲージを用意してネットに入ったタケを中にいれた。
「お願いします」
母上はタケとの一時の別れにしょげた顔で言う。
タケにしてみたら、なぜ自分が置いていかれるのか分かっていない。私達の雰囲気をタケなりに読み取っていたのか、鳴く事もせず、ジッと見ているだけだった。

後ろ髪を引かれる思いで私達は重い足取りで獣医を後にした。
マンションに着くと、真田さんにお礼を言って頭を下げた。
真田さんは「なんだか、淋しいね。でも大丈夫だよ」と励ましてくれ、気を使ってくれたのを作り笑顔で私達は答えた。

暫くして家ちゃんが帰宅した。
いつもなら、マンションのエレベーター前で母上とタケが迎えに出ているのであるが、今日はタケが居ないので淋しそうにしている。
事情を知ってから、声に強さは感じられず家ちゃんもシュンとしていたのだ。

「獣医さんに電話してみな」
と食事が終わった時に母上は言った。
食事中気になってしょうがない私を気遣ってではなく、自分が心配なのを人のせいにして掛けさせるつもりである。
『心配なら自分で掛ければいいのに』と思いながら山○獣医科病院へ電話をかけた。

電話の向こうでは先生の少しホッとした声色が伺えた。
「手術は無事に終わりましたよ。今は麻酔で眠ってますから、明日の朝にでも見にきてあげて下さいね」
「はい、有難う御座います」
私は嬉しさに声を張り上げた。その声を聞いてか、家ちゃんと母上の表情も明るくなっていた。
11時ごろになり、姉がやっと帰ってきた。途中同僚と飲んで帰ってきたようで、この時はほろ酔い加減であった。
タケの話をすると一瞬淋しそうにしていたが、おしっこが出なかったタケを見ていたので、手術成功と聞いてホッとしたようである。
「タケ、もう苦しまなくて済んだんだね」
「そうなんだよ。本当によかった」

翌日になって私は学校があったので、朝タケに会う事は出来なかったけれど、学校の帰り山○獣医科病院の近くを通るので少し寄ってから帰る事にした。

いつもは静かな院内。でもこの時間は診察を待つ人も複数いたり、院内で飼っている猫数匹が歩き回っていたりいつもと違う雰囲気だった。
先生に会うとタケは手術室に居ると言う。言われるがままに手術室へ足を向けるとそこには手術を終えた犬や猫数匹がゲージに入れられ眠っていた。
その中にタケの入ったゲージがある。
タケはエリザベスカラーという電気のかさのような物を首からつけていた。
小さい方の穴から頭を覗かせたなんともなさけない姿に笑ってしまいそうであるが、そのエリザベスカラーは点滴している腕をなめないようにしているのだ。
点滴をしている腕は毛を刈られ、地肌を見せた状態である。
手術後なので、おしっこは垂れ流し。この時は手術した部分が見れなかったけれど、それでも痛々しく思えてしょうがなかった。

タケちゃん、とっても可哀想なんだけど、笑ってしまうのはなぜなのかしら?
エリザベスカラーのせいなのかも知れないね。
ごめんよ……。


山○獣医科病院 2

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posted by まわた at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ☆竹千代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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