ご縁カウンター

2005年01月13日

黒と白のにくいヤツ 2

家ちゃんは8月8日辺りから家族を置いて、母上に相談もなく、会社の友人と旅行へ出かけていた。この日は旅行から帰ってくる日で、家ちゃんが帰って来たのは夕方近くなった頃である。
私達には運が良く、旅行が楽しかったのか上機嫌で帰って来たのだった。
姉との作戦は家ちゃんが帰って来る前に相談済みだったので、そのチャンスを狙っていた。
子供の考える事には高が知れている。それでも「うん」と言わせる自信が私達にはあったのだ。

夕食前に家ちゃんがお疲れの晩酌を始め、私は流行る気持ちをおさえつつその時を待った。
ある程度酒が回った時がチャンスだ。
家ちゃんは酒が入ってからダンダンと舌が回り始めていた。しらふの時は口数が少ない方であるが、酒が入るとクドイと言いたくなるほど舌の回りが良くなる。
この時は疲れているせいか、酒の回りが早く、チャンス到来は苛立つほど待たなくて済んだのだ。

『今がチャンス!』

私はほろ酔い加減の家ちゃんにこういった。
「ねぇお父さん……この子可愛いでしょ?」
隠していた子猫をストレートに目の前に出した。今思えば変化球ではなく、ど真ん中ストレートなのが恐ろしく思う。
「なっなんだ!……この猫は?!」
「裏にいっぱい居たうちの一匹……」
私は姉に言われたとおり潤んだ瞳を家ちゃんに向けた。
家ちゃんは私の瞳に一瞬ひるんだが、少し動揺しながら
「飼いたいのか……?」と軽く問いかけ私は深く頷いた。
そして子猫に問いかけるように目を向けると、
「この子が家に来たいって……」
な、訳が無い。無言の猫は悪魔姉妹の陰謀で猫語を都合よく訳されているにすぎないのだ。子猫にしてみたら『お母さんのところに戻りたい』と思っているに違いない。
家ちゃんは暫く考えた後、への字に曲がっていた口を渋々開いて言った。
「ちゃんと世話をするんだろうな……」
「うん」
ここでやっと姉の登場。
「世話するよ」
姉はいつでも美味しいところだけを持ってゆくズルイところがあった。家ちゃんの恐ろしさを私よりも良く知っているからこそ。怒られ役はいつでも私なのである。
家ちゃんは驚いた顔で姉の方へ目を向けると
「お前も飼いたいのか……」
家ちゃんと私のやり取りで怒った様子が無いのを確認すると、
「うん」
と大きく頷いた。
悪魔姉妹の期待している満面の笑みに困ったのか今度は母上に話しをふる。
「お母さんは……」
「飼いたいって言うから、しょうがないじゃない?」
皆の意見を聞いた家ちゃんは納得したと言うより、3対1と言う立場に納得するしかなかったようで渋々言った。
「じゃあ良いよ」

頑固でへそ曲がりの家ちゃんがあっさりとO.Kをするという事は快挙である。
家ちゃんは娘に対して甘い父親ではないのだが、人数負けという事でO.Kを出した形となった。
私達はと言うと、大喜びではしゃぎ回った。
今まで動物を飼う事は無かった。飼ったと言えばインコくらいだったので、中学生なるまでこんな嬉しい事は無かったのである。


一夜明けて、子猫に名前をつける事になった。
姉と母上そして私は子猫を囲み、名前についてああだのこうだの言いながら、いろいろな名前をあげた。昨日はとりあえずイチゴの箱に入れていたので
イチゴと命名したのだが、実はメスなのか?オスなのか?素人の私達には分からないでいた。
子猫をひっくり返し、柔らかい毛の感触に触れ愛しさをふくらませていると、ふとあるポイントに気がついた。
「あれ?やっぱりこれって……そうだよね?」
私の声に姉と母上は指差した方を覗き込むと、「そうかも」と二人して納得するものがあった。
「この子オスかも」
私は子猫の下の方にある柿の種に毛得たがはえたようなモノをながめて言った。
柿の種と言っても新潟名物柿の種ではなく、木になる柿の種である。
私達は丸金ポイントにそれが有るのを確認した。
「オスみたいだね……」
と姉はそれを突っついて言う。
猫にしたらたまらないだろうが、悪魔姉妹はそんな事はお構いなしなのである。恐るべし悪魔姉妹、姉さま。
「やっぱそうだよ……これ」
と悪魔姉妹、妹も突っついている。
バカ娘を横目に母上は話を仕切りなおして言った。
「イチゴじゃ女の子みたいだよね……」
そうなのである。丸金ポイントを突っついている場合ではないのだ。
名前を決めなくちゃ。

私達は考えた。猫にとっては名前なんてどうでも良いのかもしれないが、ペットを飼い始める基本はその子に名前をつけてやる事である。
「菊千代は?」
なぜか和風の名が私の脳裏をかすめていた。
更に「しし丸」「菊丸」「竹丸」など。しかし、二人の答えは「NO!」である。
気が付けば1時間が経過していた。
「竹千代(たけちよ)は?」
と疲れた頭が最後に搾り出した名前に二人はう〜んと考え込むと、長い便秘から解放された顔で頷いた。
「それでいいよ!」
私達は今までこんなに考えたことが無いくらい考えたに違いない。
あまり考えすぎて、結果、疲れてしまったのであるが……。
こうして彼は「竹千代」と命名された。
その竹千代は(平成14年)現在15歳。人間年齢90歳。
猫とは1年で20歳と数え2歳から25歳となり1年に人間の5年分の年をとる。
竹千代は90歳と言う長寿であるが、上には上が居るもので、この前TVで26歳の猫を見た。メスの猫で人間年齢145歳とは!!驚くべき事実である。

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posted by まわた at 10:39| Comment(2) | TrackBack(0) | エッセイ☆竹千代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ♪
(@´ω`)ノハジメマシテ☆
TBPからきました!

子猫チュン。。よかったですね(*´∀`)アハハン♪
ウチにも、2匹ネコがいます♪
全部SeNが拾ってきたネコなんだけどね(w
しかも。。勝手に(w
「飼わざるえない状況」を作ったりして(w

ネコチュンn画像メチャカワイイ〜♪
鼻のクロが愛らしいですね
Posted by SeN at 2005年01月16日 12:48
SeNさん初めまして☆コメント有難うです♪

タケの子猫時代、沢山兄弟がいて選ぶのにこまりました(笑)でもタケが一番マヌケ面だったので、姉が気に入っちゃったんです。勿論私も。
タケはもう居ませんが、アメショウと雑種の猫二匹飼っていますよ^^
可愛いです。
Posted by まわた at 2005年01月16日 13:33
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